王家の谷

Valley of the Kings

 カーター・ハウスとワセダ・ハウスを右手に見て,西へ真っすぐに進み,曲がりくねった道をしばらく行くと王家の谷の駐車場があります。
この先が王家の谷。その名が示すように,新王国時代の歴代のファラオの王墓が造営された場所です(例外的に一部高官の墓もあります)。
 谷は,東谷と西谷に分かれており,今までに登録されている墓や竪坑の数は,64に上りますが,中には墓でないものもあるようです。これらの墓の大部分が東谷に集中しています。

 西谷には,アメンヘテプ3世墓(KV22)やアイ王墓(KV23)など4基の墓が登録されているだけです。西の谷ではアイの墓のみ公開されています。
 王家の谷で発見されている墓のなかで最古のものは,第18王朝のトトメス1世王墓(KV38)であり,最後に造営されたのが第20王朝のラメセス11世墓(KV4)です。ツタンカーメン王墓を除く,ほとんどすべての王墓が盗掘を受けてしまいましたが,王たちのミイラの大部分は第21王朝(紀元前1000年頃)の神官たちの手で秘密裏に安全な場所に移され,隠されていました。 19世紀末になり,デイル・アル=バハリとアメンヘテプ2世墓(KV35)の2力所で,ミイラの隠し場所が発見されました。 見つかった王のミイラのなかには,第18 王朝のアメンヘテプ1世,トトメス1世,トトメス3世, アメンヘテプ2世,トトメス4世, アメンヘテプ3世,第19王朝のセティ1世,ラメセス2世,メルエンプタハ,第20王朝のラメセス3世など,新王国を代表する王のミイラのほとんどが含まれていました。
 墓は,すべて岩窟墓であり,壁面には「死者の書」や「門の書」,「冥界の書 (アム・ドゥアト書)」,「アケルの書」,「洞穴の書」,「昼と夜の書」など宗教文書が挿絵とともに描かれています。王墓に描かれたこうした宗教文書は,王が死後にさまざまな困難を乗り越えて再生復活を果たすことが主題となっています。

2024年3月9日現在公開状況

☆入場料;750EGP そのとき公開されている3つの墓に入場できます。

ツタンカーメンとセティ1世,ラメセス6世は別途エクストラチケットが必要です。
 ツタンカーメン:700EGP
 セティ1世;2000EGP
 ラメセス6世;220EGP

西谷 アイ王墓;200EGP

写真撮影可。

(金額は2024年11月1日改定)

見学時間;午前6時から午後5時まで