素晴らしい壁画が残る貴族の墓は，ラメセウムの西側からハトシェプスト女王葬祭殿の北側までの広い範囲に点在しています。チケットは現地では購入できず，セットの墓ごとにチケットオフィスで購入する必要があります（ハトシェプスト女王葬祭殿に近いアサシーフ地区の墓はハトシェプスト女王葬祭殿でチケット購入）。壁面の保存状態がよい墓も多く，古代エジプト人の生活の様子が極彩色で鮮やかに描かれていて，大変興味深い遺跡ですが，
　いっぺんにすべてを見るのは難しいので，あらかじめ見たい壁画を選んで絞り込んでおくとよいでしょう。貴族の墓は，規模が小さく，大人数のツアーの観光客はなかなか足を踏み入れないので，比較的静かに鑑賞できます。暗いときには番人がレフ板代わりのアルミホイル製の板を巧みに使って光を入れて壁画を見せてくれることもありますが，懐中電灯があると便利です。見学者が少ない分，番人はバクシーシを期待しています。小銭のご用意を。

　貴族の墓がある地域は，北からアル＝ターリフ地区，ドゥラ・アブ・アル＝ナガー地区，アル＝アサシーフ地区，アル＝コーカ地区，シェイク・アブド・アル＝クルナ地区，クルナト・ムライ地区の6つの地区に区分されています。