デイル・アル=メディーナ

Deir al Medinah

 デイル・アル=メディーナの遺跡は,テーベ山の西斜面とクルナト=ムライの小さな丘にはさまれた小さな谷にあり,王妃の谷(南へさらに1キロほど離れたところにある)や山の反対斜面にある王家の谷からも,そう遠くないところに位置しています。
 デイル・アル=メディーナとは,アラビア語で「町の修道院」を意味します。これは,プトレマイオス時代の神殿がコプト教徒によって修道院として利用されていたことに由来しています。
 第18王朝時代の初期,トトメス1世の時代に建設され,タ・セト・マアトの名で呼ばれていました。この表現は,「真実の場所」または「秩序の場所」と訳すことができます。王墓の建造や装飾のために雇われた職人や労働者の共同体がこの村に暮らしていました。
 ここには,職人の集合住宅址の他,彼らの岩窟墓群,プトレマイオス朝時代の小神殿などを見ることができます。

☆チケット デイル・アル=メディーナ 200EGP(2023年12月1日改定)
  職人の町,神殿,墳墓群の見学が可能。
  墓は,センネジェム墓(TT1) ,インヘルカウ墓(TT359),ナクトアメン墓(TT335),アメンナクト墓(TT218)・ネベンマアト墓(TT219)・カエムテリ墓(TT220)の4か所に入場できます。    
 パシェドゥ墓(TT3)は別チケット(100EGP)が必要です。現地では購入できません。ご注意ください。
 チケットオフィスでのみ取り扱い
見学時間:午前6時から午後5時

職人の町(集合住宅址) Workmen's Village
 新王国時代に王家の谷や王妃の谷などの墓の造営に携わった人々が生活していた集合住宅の跡。ここから山越えの道を歩いて,約30分で王家の谷に着くことができます。(現在は許可なく登ることは禁じられています)。約70軒の家の跡が発掘されており,パピルス文書や石灰岩片や土器片に文字を書いたオストラカ,石碑など数多くの資料が発見されています。特にラメセス王朝(第19~20王朝)期の人々の暮らしを解明する上で,非常に重要な遺跡となっています。
 
墳墓群 Workmen's Tombs
 住宅址の西側斜面には第18王朝から 20王朝時代にかけて,岩窟墓が造営されました。上部に建設された小ピラミッドの幾つかのものが再建されています。
 通常チケットで見学可能な4つの墓
  センネジェム墓(TT1) Sennedjem
  インヘルカウ墓(TT359)Inerkhau
  アメンナクト墓(TT218)Amennakht・ネベンマアト墓(TT219)Nebenmaat・カエムテリ墓(TT220)Khaemteri
  ナクトアメン墓(TT335)Nakhtamen
 
  パシェドウ墓(TT3)Pashedu エクストラチケットが必要

デイル・アル=メディーナ神殿 Temple ofDeir al Medinah
 保存状態が良いのは,ハトホル女神とマアト女神の小神殿ですが,アメンヘテプ1世の神殿やセティ1世のハトホル礼拝堂,アメン神殿の遺構を見ることができます。