アル=カブ遺跡 

The Site of Elkab

 アル=カブ遺跡は,テーベから南へ90 km,エスナから南へ32キロのナイル川東岸に位置し,古代名ネケブが今日の地名の由来となっています。中王国時代には,上エジプト第3ノモスの都でした。
 対岸には,コム・アル=アハマルと呼ばれる遺丘がありますが,この遺跡は先王朝時代から初期王朝時代にかけての重要な町ネケンがあった所で,ヒエラコンポリスとも呼ばれています。この地は,先王朝末期に下エジプトのブトと対抗する上エジプトの中心地でした。ここからは,有名なナルメル王のパレットも発見されています。
 アル=カブでは上エジプトの王権の守護神で白冠を戴くハゲワシの姿をしたネクベト女神が信仰されており,古くから聖地として重要な意味をもつ場所でした。
 アル=ヒラール集落の西側には古代の町の周壁が残っています。高さ6m,厚さ11m,長さが565×550mの規模をもつ巨大なもので,町を囲んでいました。周囲の壁の東には,2つの小さな神殿があります。1つはトトメス1世,もう1つはネクタネボ2世のものです。
 現在は町の北にある岩窟墳墓群と砂漠の中にある神殿が公開されています。

アル=カブの砂漠


 ☆チケット150EGP(2023年12月1日改定)
 見学時間:午前6時から午後5時